FMCを始める方への一助

こんにちはふみです。

今回はFMC Advent Calendar 2021をきっかけにブログを始めましたのでFMC(Fewest Moves Challenge:最少手数競技)をもっと多くの人に楽しんでいただきたいと思い、筆を執った次第です。
大層なことを言っておりますが、内容はスピード競技では馴染みが無く、とっつき難い
inverse scramble (逆スクランブル)
premoves
NISS (normal inverse scramble switch)
についての私なりの理解を、出来るだけ分かりやすくまとめてみようといったところです。
用語自体の解説は省きますので入門に良い記事を貼っておきます。
かわむさんの最少手数競技入門
ふーみぃさんのアドカレ記事

結果としてFMCを始める方の一助になれれば嬉しいなぁ

では本題に入ります。

FMCのテクニックを調べていくとスクランブルとスクランブルの逆手順(inverse scramble)を同一のものとみなすとあり、「は?」となる人がいると思います。
私も最初は訳がわかりませんでした。 しかし、探索の幅を広げられるinverse scrambleや、それを応用したNISSは FMCにとって重要な技術です。 同様にスクランブルの前に手順を入れるpremovesも「そんなことして大丈夫なの?」となる方も居られるでしょう。 その辺の理解を解説していきます。

FMCループ

まず、scrambleと解答の関係を見ていきます。
f:id:fumi_k51:20220103100845j:plain
図のようにscrambleと解答の関係は6面が揃った状態からスクランブルで崩して解答で6面が揃った状態に戻す形となります。

今回はこの一連の流れを6面揃った状態から6面揃った状態にする1つの手順と考えます。(下記イメージ) f:id:fumi_k51:20220103101258j:plain

さらに、この手順は「始めの形」と「終わりの形」が一緒ですので下記イメージのように始点と終点を繋げてループすることが出来ます。
f:id:fumi_k51:20220103102009j:plain

実はこのループ手順(今記事ではFMCループと表現していきます)の良いところは始点(終点)の位置を変えてもループしてくれるという特徴があります。
というのもこの回転記号をこの順番で回す限り、エッジやコーナーの向きの回転や位置の移動が最終的に0になる手順だからです。

「は?」となられた方は一緒にキューブを持って見ていきましょう。


scramble:D2 U' F2 D F2 D' U B D' 解答:D B' L2 D' L2 D'
例なので手数の短いものを用意致しました。
そこの上級者の方「inverse scrambleにslice insertionしただけじゃねーか!」とか言わず大目に見てやってください。
FMCループにしてみると下の図になります。
f:id:fumi_k51:20220103122422j:plain

次に試しにscrambleの5手目のF2から手順を一周してみてください。
イメージは下の図です。 f:id:fumi_k51:20220103122734j:plain

いかがでしょうか?
手順を一周回したら6面揃った状態に戻ってきてますよね?
まだ疑っている方はスタート位置を変えて試してみてください。
このようにFMCループは①どの位置から手順を開始しても一周回せば元の形に戻ってきます。
もちろん6面揃った状態から6面揃った状態へ行く手順ですので ②逆手順を回しても同様のことが起こります。

ここまでを理解出来ましたでしょうか?
FMCループの理解が出来ていれば既にinverse scramble、premoves、NISSの土台が出来上がっています。

実践

FMCループの理解を利用して実際にFMCをやっていきましょう。

scramble:R' U' F U L2 B2 D F2 D2 U2 F2 R2 U2 F' L2 F R' U' B2 U2 F U2 L' R' U' F
inverse scramble(scrambleの逆手順):F' U R L U2 F' U2 B2 U R F' L2 F U2 R2 F2 U2 D2 F2 D' B2 L2 U' F' U R

久しぶりのブロックビルディングです(予防線を張っておく)。

まず
R F' U' B U2 B
として2×2×2のブロックを作ります。
FMCループでは下図のイメージです。
f:id:fumi_k51:20220111215502j:plain

この後、次の手が見つからない時にFMCループの特性を使っていきましょう。
①どの位置から開始しても一周回せば元の形に戻ってくる。
②逆手順を回しても同様のことが起こる。
下図のように線を入れた場所から反時計回りの方向(逆手順になります)に一周する手順を探します。 f:id:fumi_k51:20220111220243j:plain つまりB' U2 B' U F R'+inverse scrambleを回して手順を探します。
いかがでしょうか?
2×2×2が保存されていますでしょう?
これはscramble+R F' U' B U2 Bという手順が結果的に2×2×2のブロック意外のパーツのみを動かしている手順になっているため、逆手順も同様に2×2×2のブロック意外のパーツのみを動かす手順となるからです。

そこから
(F' U R U' R' F U R2)←探索過程を書く際に逆手順から探した手順は()で囲んで書きます。
で2×2×3のブロックを作ります。 これは逆手順ですので実際の手順に直してFMCループで表現すると下図のようになります。
f:id:fumi_k51:20220111222431j:plain
ここまでで解答の最初の6手と最後の8手が見つかったことになります。
このFMCループの時計周りと反時計回りを切り替えて探索するテクニックがNISS(normal inverse scramble switch)になります。

折角ですので、またscrambleをswitchして考えてみましょう。
下図の黒い線から時計周りにループする手順を探してみます。
f:id:fumi_k51:20220111224813j:plain
F2 U F U' F2 U' R' F R
として擬似的なF2L-1(F2Lの最後のスロットが空いている状態)を作ります。
ここで「6面揃った状態からF2した状態」に揃えて最後にF2をすれば完成です。

え?そんな器用な揃え方出来ないって?
大丈夫です。僕らの強い味方のFMCループがあります。
最後にF2をするということは下図のようにswitchする前にF2を入れれば良いのです。
f:id:fumi_k51:20220111225946j:plain
そしてF2から回し始めて時計周りに手順を回してみてください。
擬似F2L-1がきちんとしたF2L-1になりましたよね?
このように「最後に入れる手順」を探索している手順の「最初に持って来る」テクニックがpremovesです。
いかがでしょうか?理解出来ましたでしょうか?

残りの手順は今回の解説テクニックではないのでサクッと書いちゃいます。

R U2 R' U R' F R F' U2
として4C(4つのコーナーパーツが揃っていない状態)にします。
ここまでの手順を整理すると
skeleton:R F' U' B U2 B F2 U F U' F2 U' R' F R2 U2 R' U R' F R F' U2 F2 R2 U' F' R U R' U' F (32moves) となり、4Cが残っている状態です。

下記のように①と②のコミュテータをキャンセルが発生するように挟み込むことで少ない手数で4Cを解消し、43movesで解答となります。 R F' U' B U2 B F2 ① U F U' F2 U' R' F R2 U2 R' U R' F R F' U2 ② F2 R2 U' F' R U R' U' F
①=F U B U' F' U B' U'(8-3)
②=D B2 D' F2 D B2 D' F2(8-2)

いかがだったでしょうか?
ループ手順について文章の説明だけでは分かりづらいと思い、考えた図解でしたが理解出来ましたでしょうか?
図が雑とかは…スマホで無理矢理作ったのでご了承下さい(; ̄ェ ̄)

FMCを始める方への一助になることを祈り締めさせていただきます。
最後まで読んで頂きありがとうございましたm(._.)m